2022年11月3日は、マクラーレンクラブジャパン(以下、MLCJ)が正式始動した記念すべき日となった。
この日はマクラーレン・オートモーティブが『McLAREN TRACK DAY JAPAN 2022』を開催した日。『TRACK DAY』とは毎年開催されているマクラーレンオーナー向けのミーティングで、2022年で9回目を迎える。全国のマクラーレンオーナーズクラブが富士スピードウェイに集い、過去最多の160台が参加するという一大イベントとなった。前日に行なわれた前夜祭および当日にはなんとブルーノ・セナが招かれ、参加者を驚かせていた。
関東を中心に活動するMLCJはこの『TRACK DAY』に参加し、同時にこの機会に合わせて正式始動としてアナウンスすることとなった。ローンチ前の準備期間に試験的に走行会等のプレイベントを行なってはいたが、『TRACK DAY』開催に合わせて正式なスタートとしたのである。
『TRACK DAY』は朝早くからプログラムが組まれ、オーナーみずからドライブするサーキット走行をメインに、プロドライバーの横での同乗走行、ゲストによるトークステージ、山中湖ツーリング、さらにはヘリコプター体験飛行まで盛りだくさん。
サーキット走行では、オーナーのドライビングスキルに合わせて走行枠が分かれており、この日がサーキット初走行のビギナーから何度も走り込んでいるエキスパートまで、それぞれが同レベルの参加車との同時走行となり、安全に楽しめたようだ。
イベント中、もっとも盛り上がったのは、昼に行なわれた記念撮影だ。参加全車がコース上をパレードラン。その後ホームストレート上に並べて撮影を行なった。普段街中で見かけることが少ないマクラーレンが、同時に160台も連なる様は圧巻のひと言。
「参加台数の多さは、予想以上でした。160台が一堂に会する光景を目の当たりにして、全国のマクラーレンオーナーの多さを実感しました」と、参加者のひとりはその驚きを語っていた。
イベント中は常に熱気があり、普段のビジネスから離れ、マクラーレン好きによるクルマ談義がそこかしこで花開く。
メディアでしか知り得ない希少グレードを、生で見ることができるのもこういうイベントの醍醐味である。「スピードテールを初めて間近で見て、その格好良さに感動した!」という興奮の声も聞こえた。そして、オーナーを質問攻めするのもされるのも、また楽しいひとときである。
走りを追求する人たちの間では、「●秒台切った!」というセリフが飛び交い、お互いが競い合う様子が見て取れた。
これらは、いずれも幼い頃に誰もが経験してきたこと。友人の自転車の格好良さに憧れ、ゲームで競い合った毎日が楽しかった。やがて大人になって、自転車やゲームがマクラーレンになり、同じことを損得なく、しがらみなく楽しめる。
オーナーの大半は同伴者がいたが、いわゆる“おひとり様”の姿も見られた。かといって孤立することもなく、前夜祭からの流れで初めての参加でも充分溶け込めていたようだ。『TRACK DAY』は同伴者も楽しめるような試みも行なっており、オーナーが走行中でもドリンクを飲みながらゆっくりできるエリアが複数設けられている。また、マクラーレンの各グレードの展示スペースがあったり、ネイルやフェイクタトゥーを楽しめたりと、来場者を飽きさせない工夫がされていた。お昼は豪華な弁当が提供され、おみやげはBowers&Wilkinsのイヤフォンが贈られている。
MLCJは事前にチラシを用意してイベント中に配布してクラブのPR活動を行なった。また、クラブオリジナルのキャップやTシャツも制作。すでに入会希望者が集まり始めている。
なお、今回の正式始動に際し、MLCJではプロカメラマンに撮影をお願いした。当該カメラマンは、F1での実績があるような国際的に活躍するプロフェッショナル。クラブ員の真剣な走りやピットでのなごやかな雰囲気などを、トップクラスの技術で記録に収めてくれた。今後のMLCJでのイベントも同様に撮影をお願いする予定でいる。世界レベルの撮影テクニックが、ランド・ノリスの代わりにMLCJクラブ員を捉えてくれる。
また、MLCJの会長は、日本人初のル・マン24時間総合優勝を果たした関谷正徳氏。さらには、ドライビングのアドバイザーを、国内トップドライバーである影山正美氏が務めている。同氏は、国内レースでもっとも人気が高いスーパーGTでの最多優勝を記録したこともある。MLCJクラブ員は、この二大レジェンドによって、いつでもドライビングスキルをアップできる環境にある。
このように、MLCJクラブ員は常に「本物」に囲まれながら活動を行なうことができる。もちろん、気軽にツーリングを楽しむような「ライト」志向もアリ。「本物」も「ライト」もどちらも共存するクラブとして、今後活動していく予定だ。
『TRACK DAY』は、なぜか天候に恵まれないことが多いが、2022年の第9回は見事な秋晴れとなり、まさにイベント日和の1日となった。富士スピードウェイの後半セクションでは、くっきりと浮かぶ富士山を横目に見ながら走ることができた。
富士山の姿を優雅に楽しむもよし、視界の隅に捉えつつ次のエイペックスを凝視するもよし。マクラーレンクラブジャパンでは、そのどちらのタイプの方もお待ちしております。